• Pickpockets

    Posted on 7月 20, 2012 by in まちあるきのコツ, ロンドンオリンピック2012, 旅の安全・セーフティ

     

    大変お恥ずかしい話ではありますが、在英10年になるこの私も、ロンドンでほぼ3年おきに、スリの被害に遭ってしまっています。

    • 2005年には、トラファルガー広場のそばの郵便局で、オフィスの用で列を作っている間に、ポケットから携帯電話を。
    • 2009年には、カムデンロック・マーケットで、レインコートのポケットに入れてしまった新品のデジタルカメラを、100メートルも行かない間に。
    • そして、この2012年4月には、ピカデリーラインでコベントガーデン駅まで行く間の地下鉄構内、もしくは駅エレベーター内で、現金・カード入った財布を。

    どれも精神的なダメージを伴いましたが、さすがに、つい最近の2012年4月財布のスリは、その後連絡しなくてはいけない各所が多く、大人になって初めてのスリ被害に「在英も長く、逆に自分もどこか気のゆるみがあった」と不甲斐なく、命に関わらかったものの、気持ちを立て直すのに時間がかかりました。

    その翌月5月にも、ベーカーストリート駅で、ホームの行き先を尋ねていらした、熟年ご夫婦の日本人旅行客。旦那様の方が、前日に、ポケットから財布をすられてしまったとこぼしていらっしゃいました。かつては商社マンでいらしたという旦那様、とても旅慣れた様子のご夫婦でしたのに、そのお気落としのご様子・・・決して人ごとには思えませんでした。

    ちょうど4月下旬には「インディペンデント」紙が、

    「オリンピック開催を目前に、かつて前例のない規模で、物乞い、スリ、売春目的でロンドンに連れてこられる旧東欧人が急増。ウェストミンスター自治体によると、その大半はルーマニア人、各々の『仕事場』もあらかじめ割り当てられており、すし詰め状態で長距離バス(コーチ)に揺られ、ロンドン・マーブルアーチ界隈に到着している」

    と組織的犯罪の様相を報じていた矢先でした。

    また、7月18日に、「ロンドン・イブニングスタンダード」紙では、ロンドン警視庁の協力要請により、10名のローマニア警察の刑事・警官が、ウェストエンドにたむろしているルーマニア人のスリや物乞いを一斉退去している様子が報道されています。4月の財布の件についても、交通警察、警察署、犯罪調査機関から、合計5回以上にわたり、電話による問い合わせとフォローアップがあり(過去はこんなことはありませんでした)、ロンドン五輪に向け、警察当局もスリ被害の加害者検挙に力を入れてはいるはず。

    ただ、こんな出稼ぎのスリ専門のプロ集団に狙われたら、たまったものではありません。7月18日のBBCニュースでは、「ロンドン五輪は稼ぎ時」と心待ち(!)の、バルセロナにいるルーマニア人系スリの集団による複数でターゲットに近づき気をそらした上でいとも簡単にコンマ何秒で財布を抜き取る手口を報道し、オリンピック観戦客・ロンドン観光客の万全の注意を促しています。

    スリの狙いは、まずはなんといっても「現金」
    現金を多く持ち歩いていると思われる東洋人、日本人は、とかく狙われやすいのです。

    さらに、旅慣れていない・抵抗してくる可能性が低いと見なされる熟年・中年の旅行客、子供やバギーに気をとられたり、追いかけてくる可能性が低い親子連れの親などは悲しいかな、さらにターゲットになりやすいの です。

    • 現金は小分けにして、また、必要な分だけ持ち歩く。
    • 貴重品は手から離さない、常に身につける。
    • 肩から下げられるバッグは必ず斜めがけにする。
    • 財布はジップの閉められるバッグに入れて持ち歩く。
    • 公衆の場、駅、電車内などで、財布を出す時間をなるべく短く心がける。
    • レストランやカフェなどで椅子の背に荷物をかけたり、置いたりしない。
    • リュックサックは前に抱えて持つ。
    • 目に見えないところに、身につける。
    • すぐに使わない貴重品はホテルの金庫に預けるなどして極力持ち歩かない。
    • 財布や貴重品は一旦出したら、必ず外から見えない箇所にしまったのを確認してから歩き出す。
    • レストランやカフェのテーブルに、携帯端末や貴重品を置いたままにしない。

    などなど、それぞれ対応の方法はあると思いますが、十二分の注意を払って間違いありません。
    思わず気が緩むと、ロンドン生活に慣れた私でも被害にあってしまうのですから(お恥ずかしい限りです)。

      

    万が一、スリの被害に遭ってしまったら、気づいた時点で近くの店やビル受付などで最寄りの警察署を聞き、その警察署に届け出るか、地下鉄・列車・駅施設で被害にあった場合は、駅の係員に声をかけ、駅長を通じ、交通警察に電話連絡。いずれにせよ自分で盗難被害を届けるしかありません。近くに警官が歩いているのを見かけたら、その警官に声をかけてもいいと思います。いつ、どこで、どのように、何を盗られたのか、誰かにぶつかられたり話しかけられたりしたか、何か気づいた点があるかなどをできるだけ細かく説明します。

    この届け出た内容を、警察の担当者がタイプし、書類にしてサインをしたら、その控えをもらいます。もしくは、被害のケース番号と被害内容を書いた書類に担当警察がサインをし、後日こちらが指定した住所に送ってもらう場合もあります。
    この書類があって初めて、日本を出発する前に加入してきた保険会社に、海外旅行・盗難保険の申請をすることができます。

    ですので、必ず書面の控えか、もしくはその場で書面(控え)をもらえない場合は、後日連絡すべき警察担当部署の連絡先(電話番号)と、該当する事件番号(Case Number)をもらってきてください。

    現金は、残念ながら海外旅行保険の対象になりません。そういう面からも多く現金を持ち歩くのはお勧めできないのです。

    警察に届け出たら、すぐに保険会社、クレジットカード会社に電話し、届出をするとともに、カード使用の差止めをする必要があります。
    ご旅行される前に、クレジットカード会社の連絡先なども控えておいた方がよいでしょう。

    スリで済めばまだしも、物乞い、ひったくり、強盗などで、もしも身の危険を感じたら、金銭よりは、まずは生命、身体の安全の確保が最優先です。

    物騒で決して心地よいテーマではありませんが、せっかくいらした楽しいはずのロンドン旅行・まちあるき、楽しい思い出だけを持って無事に帰路につかれますよう。

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