• Damien Hirst designs the flag at Olympics closing ceremony

    Posted on 8月 13, 2012 by in アート・デザイン, イベント・行事, ロンドンオリンピック2012

    ロンドンオリンピック閉会式。会場にデザインされたユニオン・ジャック、ダミアン・ハースト(Damien Hirst )のデザインだったそう。

    死んだ動物(鮫、羊、牛)を輪切りにして、ホルマリン漬けにし、生と死について考えさせる“Natural History”など、センセーショナルな作品で脚光を浴び、1990年代に頭角を現した、アーティスト・Damien Hirst(ダミアン・ハースト)。10年ほど前まで、そのショッキングな作品は発表される度に良くも悪くも物議を醸し出してきた彼。広告代理店「サーチ・アンド・サーチ」の創業者でサーチ・ギャラリーのオーナーであるチャールズ・サーチをパトロンの一人としていたこともあり、2002年渡英して早々、当時はロンドン・アイのすぐそばにあったサーチ・ギャラリーで、“Natural History”や、その他グロテスクな作品に出会った時は、正直、吐き気をもよおしそうになったり。

    そんなダミアン・ハーストも、今やイギリスで生存するアーティストの中で一番財力があるアーティストだそう(!)。白髪・50近い小奇麗かつ貫禄あるその姿に、かつての長髪の新進気鋭アーティストの面影はなんだかもう見当たらない。

    テート・モダンで、2012年4月より開催されている、ダミアン・ハースト展も、パラリンピック開催終了と同日、9月9日(日)まで。
    (左写真:5,000万ポンドで取引されたと言われる同氏の作品、8601個のダイアモンドをちりばめたプラチナ鋳造のスカル”For the Love of God ”(2007)は6月24日に展示終了、 右写真: “Spin Paintings” Damien Hirst Exhibition, Tate Modern 2012)

         

    オリンピック閉会式と同日、8月12日(日)に展示終了した、ヴィクトリア&アルバート博物館の”British Design 1948–2012: Innovation in the Modern Age”展。1948年ロンドンオリンピックから再びロンドンでオリンピックが開催されるこの2012年まで、約60年間のイギリスのありとあらゆる分野のデザイン300点以上を集めた、とても見ごたえのある内容でしたが、その展示の中でも、テート・モダンのダミアン展に展示されていた『ファーマシー(薬局)』と呼ばれる作品の一部と、1997年~2003年までノッティングヒルで運営されていたカフェ・レストラン『ファーマシー(Pharmacy)』の一角が再現され、使われていた薬を模したデザインの椅子などが展示されていました。

    Damien Hirst's Pharmacy installed at Tate Britain

    Damien Hirst Pharmacy 1992 © Damien Hirst and Science Ltd.  (展示はテート・モダン、ダミアン・ハースト展 2012)このノッテイングヒルの『ファーマシー(Pharmacy)』は、ダミアン・ハーストとロンドンのPR界のGuru(カリスマ・神童)と言われるマシュー・フロイトの共同経営によるカフェ・レストラン。当時は毎夜、イギリスの最先端を行くヒトたちの溜まり場と化していたそうです。ちなみに、マシュー・フロイト。かの精神分析学者フロイトの曾孫にあたる人であり、今年2012年初めに英国議会に組織的盗聴の疑いで強い批判を受けたかの”メディア王”ルパート・マードックの娘のエリザベスの夫、でもあるというお方。 ダニー・ボイル監督が手がけDVD発売も予定されている4時間の開会式と同様、この閉会式も、イギリスの英国の50年のポップ・ロック音楽、ファッション、アート、文化を、これでもかというほどふんだんに詰め込み、英国発のエンタテイメントの層の厚さと世界への影響力を見せつけた豪華な内容でしたが、ロンドン五輪の開会式・閉会式が発信した「イギリスらしさ」の中に、イギリス、そしてアメリカに綿々と息づく「人脈は金脈」な世界と、「古き良きマスメディア時代」の名残りを垣間見たのは、きっと私だけではなかったでしょうね。Copyright (C)  2011-2012 cocolondon 暮らすようにロンドンのまち歩き All Rights Reserved

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