windows to the history in the London villages
Posted on
6月 18, 2013 by
Yuko in
小路・路地裏, 建築, 歴史, 風景 「窓の形をしているのに、窓がない」
ご案内させていただいているエリア、ふと見上げると、ロンドンの閑静な高級住宅地には、こういう家がたくさん見られます。
* 写真は、
① ハムステッドのアドミラルズ・ハウス

② ハムステッドのフェントン・ハウス

③ リトル・ヴェニスの(現在パブ・シアターである)キャナル・カフェ

④ リージェンツパークの周辺、パーク・スクウェア・イーストにある建築物
の例。

特にヴィクトリア時代に建てられた建築様式の家によく見られる、この「窓もどき」は17世紀〜19世紀半ばまでイギリスで導入されていた「窓税」の名残。
窓税(Window Tax)が導入されたのは1696年、ウィリアム3世の時代で、裕福な納税者に課税して財政を補おうというのが動機。この時代、イギリスでは非常にたくさんのありとあらゆるものに対し税金がかけられており、イギリス人はたくさん税金を払っていました。
窓税(Window Tax)は、まず家1軒あたり2シリングが課税され、取り付けられた窓が6つまでは無税、その後のその家についている窓の数に応じてさらに支払う金額が増えていく方式だったとのこと。窓税は、換気のために開けられた穴まで一つの窓として数えられるので、とりわけ貧乏人は暗く喚気の悪い家の中に暮らさざるを得なかったそうです。
逆に超お金持ちの一家は、その邸宅だけでなく別荘にまでできるだけ多くの窓や耐力壁にまで窓をつけて国家に取り入ろうとしたなど、いわば、ステイタスを示す「窓」の数。
それほど税収があがらなかった「窓税」ではあるものの、ヴィクトリア時代になり、1851年に廃止されるまで約150年続き、ロンドンのビレッジのまちあるきには、今もその頃のイギリス社会が垣間みれます。
これは、ハムステッド・ビレッジに住んでいた、とある有名人が元・住んでいた家の壁。
イギリスで一番有名といっても過言ではないあのご夫妻や、若手シェフから女王陛下からも表彰され今やセレブシェフの貫禄ありありのあのシェフも、このハムステッドの住人でした。
住宅だけでなく、パブや商用施設として使われている建物なども含め、イギリスには今もこうした無用窓の建築物がたくさんあります。
時々は、上を見上げて歩いてみてくださいね。
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