• Walthamstow Village – William Morris and Eat17

    Posted on 10月 19, 2012 by in I Love London, お土産・ギフト選び, アート・デザイン, カフェ・レストラン, ショップ, ロンドン郊外・日帰りスポット, 小路・路地裏, 美術館・博物館, 食べ物

    手作りの良さ、用の美を提唱して、イギリス中産階級の間で大いに人気を博していたイギリス生活工芸美術運動である「アーツアンドクラフツ運動」の中心・草分け的存在のウィリアム・モリス。

    2012年夏、隣接したロイズパークも含め、リニューアルのため、閉館していたウィリアム・モリス・ギャラリーが再オープンしたと聞きつけ、ギャラリーのあるロンドン郊外、ウォルサムストウ・ビレッジを散策してきました。

    日本人には大人気の「リバティプリント」、そしてウィリアム・モリスのデザイン。その両者の人気には、必然とも思われる、イギリスと日本のデザインを結ぶ線が存在しています。

    リバティーによるリバティー・プリント誕生の裏には、彼が日本・中国のシルクに寄せる思いがありました。リバティーはその東洋的な微妙な色合いと、優雅でしなやかな感触に魅せられ、ついにイギリス独自の機械による絹織物生産を考案する染色については、ウイリアム・モリスとの提携があるトマス・ウォードルに協力を仰ぎ、優雅なパステル調シルクを創作して良品のプリント生産をめざすようになりました。そのプリントに再現された色はやがて「リバティー・カラー」と呼ばれるようになり、「アーツアンドクラフツ」のウイリアム・モリス達も、機械生産によるものの、リバティー製品の美しさをおおいに讃えるようになります。

    実は、リバティーが20歳の時に開催された第二回ロンドン万国博(1862年)では、時を同じくして、日本の美術工芸品が、革新をめざす芸術家や美術愛好家達を魅了しはじめ、ヨーロッパ中に<ジャポニスム>の流行が広まっていました。特に1870年〜1890年代にかけての新しい装飾様式はアールヌーボー様式と呼ばれ、日本の浮世絵や美術工芸に描かれた自然の草花・小鳥・水・樹木・独自の色合い・しなやかさ等を、当時の美術家達は進んで作品に取り入れるようになっていたのです。

    一方、イギリス・アーツアンドクラフツ運動の中心にいたウイリアム・モリスは、中世のゴシックやケルト文様、ジャポニスムに見られる着物などの植物図柄などを参考に新たなテキスタイルデザインの創作をすすめていました。特にモリス工房の手仕事による染色プリントや壁紙には優美に図案化した花柄や小鳥のデザインが特徴となり、すでにイギリス中産階級の人気を博していた頃です。

    つまり、花柄や小鳥の繊細なデザインは、ジャポニズムのDNA、アーツアンド・クラフツのウィリアム・モリス、東洋のシルクに魅せられたリバティー・・・イギリス人に限らず、日本人の中での時を超えた両者への人気の高さもうなずけます。

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    再オープンしたばかりのギャラリーには、平日だというのに、中に入ると意外に多数の訪問客が、見応えのある作品が多数、1Fと2F部分に。

    William Morris Gallery
    Lloyd Park, Forest Road Walthamstow, London, E17 4PP
    020 8496 4390

    アート学習ルームには、子供連れの親子や学校の「アート」クラスの校外学習のグループもいました。イヤー2かイヤー3(7〜8歳)くらいかな、ウィリアム・モリスの染色用の金属版をなぞって版画を作ったり、なんとも贅沢な授業です。

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    ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A Museum)と同様、物販コーナーも。

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    明るい日差しが差し込むギャラリー・カフェ。

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    さて、ウィリアム・モリス・ギャラリーを後にして、雨が降り出した空の下、今日のウォルサム・ストウ・ビレッジ散策のもう一つの目的、バー&レストラン『EAT 17』と、その隣のコンビニエンス・ストア「SPAR」へ。

    ウィリアム・モリスも洗礼を受けたという教会もすぐそば、でも、そこは知らなければ、気にも留めず、通り過ぎてしまいそうな、何の変哲もない小さな小さなローカルの商店街。看板は、ウォルサム・ストウのビレッジ(村)の街並になじんだグレイのSPAR。

    だけど、このSPARはそんじょそこらのコンビニエンス・ストア、スーパーとはわけが違います。→詳細はこちら。

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    2年前の再建と同時に、店舗の内装だけでなく、オーガニックの生鮮食品、その他の店主が情熱をかけてこだわった食品のセレクト、そして、隣接し、地元に愛されるレストラ『EAT 17』との共同商品開発、店舗内にある『EAT 17』とのコラボによるテイク・アウェイ・ピザスタンド、できたての新鮮なデリ販売など、各所に工夫がなされ、フランチャイズチェーンのSPARといえども、他のSPARの店舗とは一線を画しており、小さな街に登場した一大「Foodie Emporium」(食の百貨店)という名がふさわしい ー このSPARこそが、2011年、英国における2011年のコンビニエンス・リテール賞のトップを受賞した店舗なのです。

    2011年イギリスのコンビニNo.1を受賞した上にさらに、国際コンビニエンスストアコンテスト2012に推薦されたSPAR。

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    このSPARの成功と”win-win”の関係で決してはずせない話題が、入ってすぐの棚に所狭しと販売されている『EAT17』で誕生した『ベーコン・ジャ』(現在1個・2.79ポンド)。

    人気司会者ジョナサン・ロスが、ITVチャネルで放映しているトークショー『ジョナサン・ロス・ショー』。2011年9月3日初回のゲスト、サラ・ジェシカ・パーカーとのトーク内で、このベーコンジャムをお気に入りとの話題になったから大変!翌日『EAT17』に嬉しい問い合わせが殺到し、電話がパンク状態になったのだとか(→その回のジョナサン・ロス・ショーは、こちらの動画にて。)

    ジャムブームの2012年のロンドンで一躍有名に。

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    ハロッズ、セルフリッジズなどのロンドンの大手百貨店の食品コーナーでも販売が決まっているほか、Tescoでも一部販売が決定しているとか。

    ベーコン・ジャム』は、豚肉の佃煮、もしくは、しぐれ煮といったちょっと甘みのある塩気で、
    パン、クラッカー、チーズにつけて食べると、確かに進む、進む・・・・なかなかイケてます!

    定番の『ベーコン・ジャム』と、『チリ・ベーコン・ジャム』を大量に買い込んで、さて、いよいよその話題のベーコン・ジャムを誕生させた本家本元・お隣の『EAT 17』 へ。

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    ※ ちなみに、EAT17の名は、このエリアのポストコード(郵便番号)がE17なのをもじってます!

     EAT 17 Bar and Restaurant
    28-30 Orford Rd  London E17 9NJ

    モダンなインテリアのバーカウンターもありながら、地元のベビー・お子さん連れも楽しめるハイチェアなども完備。

    気持ちいいまでに感じがよく爽やかでサービスの行き届いたスタッフさんたち。カップルから、グループ、親子連れまで歓迎、温かくてスタイリッシュな空間。

    ”鶏が先か、卵が先か”わかりませんが、ここから全英話題の商品『ベーコン・ジャム』を生み出した誇りや自負心もあるのでしょうか、スタッフさん全員に元気がみなぎり、その気が店内に回っている感じがします。

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    伝統的なブリティッシュ料理の数々もここであれば美味しくいただけそう、今日は、自慢の「ベーコン・ジャム」を使った、EAT17のその名も『ベーコンジャム・チーズバーガー』にトライ。

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    パンは程よい自然なおいしさでフレッシュ、バーグもそれはそれはジューシーで、たかがバーガーと侮るなかれの完璧なお味。ベーコンジャムは、豚肉のちょっと甘い時雨煮、この隠し味がまた程よくトロけたチーズと合い、「ごちそうさまでした!!!」。

    一日、あいにくの、雨空のロンドンでしたが、ウィリアム・モリスの描く美しい「花・緑・自然」のデザインに、ベーコン・ジャム大量に入った「SPAR」のレジ袋に、盛りだくさんの「元気」をもらったような気持ちでウォルサム・ストウ・ビレッジを後にしました。

    また、暖かくなり、ロイド・パーク(Lloyd Park)に緑が溢れる頃、一日、このビレッジに元気をもらいにきたいです。「ウォルサム・ストウ・ビレッジ」のまちあるき。

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