• Ottolenghi and Nopi

    Posted on 8月 20, 2012 by in オーガニック・自然志向, カフェ・レストラン, マーケット巡り

     

    ノッティングヒル周辺をご案内する時には、必ずご一緒する、お惣菜(デリ)・パティセリーのオトレンギ(Ottolenghi)。真っ白なインテリアの前に並べられた、野菜や素材の色を活かした美しくどこかエキゾチック、「ハーブもナッツもこんな使い方をするんだ!」とレシピも独創的なデリ・カフェは、ロンドナーに今や絶大な人気。

    お惣菜だけでなく、お惣菜マフィンやケーキやキッシュ、大きなメレンゲなど、焼き菓子も目移りしてしまうほどの種類が並べられていて、そこから選ぶだけでも十二分に楽しめるディスプレイも素敵なお店。

    ポートベロー・マーケットのある金曜日(一部開催)や土曜日は、もちろん、平日のランチタイムは、レジを過ぎて奥に数段階段を降りたところに12席ほどしかない大きな真っ白い相席テーブルのカフェはあっという間にいっぱいになってしまい、テイクアウェイを買い求めるヒトたちで活気あるレジの横に、数人が行列を作っています。それほどまでに絶大な人気なので、カフェでランチするつもりで訪れて、テイクアウェイだけで諦めたことも何回か。

    2月にカフェでランチした際には、レッドビートとバターナッツ・スクウォッシュ(日本のカボチャのような甘みのある野菜)の入ったルッコラ(ロケット)、それにクルミとゴートチーズのサラダをオーダーしました。バルサミコ酢とオリーブオイル(おそらくハニーも入っていたかと)のドレッシングがかかった、野菜本来の甘みとドレッシングの甘酸っぱさ、クルミとチーズの組み合わせが何とも食欲をそそる味でした。えんじ色のレッドビートとオレンジのバターナッツスクウォッシュ、白いチーズ、緑のルッコラ(ロケット)の組み合わせが、白い大きなお皿にきれい!さすがプレゼンテーションの上手なオットレンギ。別に頼んだバターナッツスクウォッシュ・スープについてきたパンも、ついついもくもくと手が進んでしまう・・・おいしかった。

     
     


    イスラエル人シェフ、ヨタム・オトレンギ (Yotam Ottolenghi) がプロデュースしたこの店舗は、現在、ロンドンに4店舗。ロンドンでは、ここ5年、お惣菜のディスプレイが魅力的だったり、バラエティが豊富で、お洒落でかつ入りやすいデリ・カフェ、随分賑わっているなと思ってトライすると、中東系、あるいは、レバノン料理の味付けということが多々あるのですが、ここも中東系、イスラエル人のシェフでした。ちなみに、同じくノッテイングヒルはじめロンドンの高級住宅地に9店舗にあり、スーパーチェーン・ウェイトローズでパンだけは取扱があるベーカリー・パティセリーカフェ 『ゲイルズ(gail’s)』も、実はイスラエル人がオーナー。

    ロンドンで親しくなった、イスラエル人の友人によると、現在の『オトレンギ』のサクセスストーリーには、ロンドンで暮らす同じイスラエル人としてひとしおの思いがあるとのこと。なぜなら『オトレンギ』の成功は、イスラエル人シェフであるヨタム・オトレンギと、もう一人のシェフ、サム・タミニ(Sami Tamini)との二人三脚なしではなし得なかったこと。しかも、公私ともにパートナー&ボーイフレンドである、サム・タミニは、イスラエルの国とは以前戦争状態にあったパレスチニア出身で、ホモセクシュアル、イスラエル人とパレスチニア人の組み合わせ、と世のタブーを打ち破って、かのクリエイティブなレシピを世に打ち出し、ロンドナーの高い評価を勝ち取っているから、だそう。

    そんなことは全く知らずに気に入って通っていた『オトレンギ』のシェフたちが、ウェストエンドSOHOのWarwick Streetに新たに、この3月に新たにレストラン『ノピ(NOPI)をオープンさせました。ブレックファースト、ランチ、プレシアター(ウェストエンド開演前の軽食)、ディナーと、ここレストランでは、ゆっくりとオトレンギ・プロデュースのお料理を楽しめそうです。

    『オトレンギ』のスタイルを引き継いだ、広がりのある白基調の内装にアンティークゴールドのライティングやインテリア、色とりどりのプレートをより美しく温かく演出している、レストラン『ノピ(NOPI)』。

    NOPI
    1-22 Warwick Street London W1B 5NE

    • Mon – Fri 8:00am-2:45pm; 5:30pm – 11:30pm
    • Sat 9am-11:30pm
    • Sun 10am-4pm

    さて、ヨタム・オトレンギが、先日(8月17日)英紙「ガーディアン」の彼の連載コーナーで、「長年気にいっている、一度作ったら病み付きになるという味」と紹介していているのが、シンガポール(マレー)料理の《海南鶏飯(ハイナンチーファン)》。

    英語では、

    Hainanese chicken rice

    というんですね。東京にいる頃、その名も海南鶏飯食堂・麻布店へよく、その味を求めて通ってました。なんとなつかしい。

    ここロンドンで、イスラエル人シェフでありながら、イイところに目をつけてくださいました、ヨタム・オトレンギ!
    そのうち、海南鶏飯を、オトレンギ流に『オトレンギ』か『ノピ』のメニューに入れてくれないかな・・・(そこまでは、さすがに無理かしら・・・)。

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